|

『全国鳥類地方名検索辞典』序文より・・・・・・・
・・・・・動植物の名前としてまず考えられるのは、広く一般に使用される呼び名で、地方によって様々に異なるのが特徴である。これを生物学の世界では《地方名》と呼んでいるが、「国語学」や「言語学」の研究者たちは《方言》の範疇と看做す。
どちらにしても、これら無限とも言える《地方名》を集成することは、言語学的興味にとどまらず、生物分類学の面においても、基本的な重要な研究課題のひとつであるが、現状では、この面の《果実》は見られないのが実状である。
・・・・・全国に残る動植物の《地方名》を網羅する―――が1999年に開始された。
『全国方言集覧』はこのプロジェクトの成果を刊行したもので、北海道から沖縄までの全県を7つの地区に分け、それぞれ上下2巻、全14巻で構成される。丸5年を費やしこのほど完結したが、利用者から《逆引き》辞典を望む声が届けられた。我々は《生物屋》であるから、当然、基本は《標準和名》で、《地方名》は各種ごとに羅列され、動植物の和名から地方名(方言名)を知る方式となっている。ところが、方言研究者たちからすれば、基準となる動植物名が不案内であるので、この方式では《方言名》を探すことは出来ない。そのために《地方名》から《標準和名》を知るための辞典を望まれるのは当然と受け止め、本書の出番を決めた次第である。
当初、『全国方言集覧』をそのまま編集し直し、《逆引き辞典》の完成を目指したが、1万ページを超え、総重量43キロにもなるので、価格的に高く、且、持ち運びにも難があるので、発想を変え『全国方言集覧』を大幅に組み替え、さらに、追加・修正を加え、新たに動植物分野別の地方名検索辞典を刊行することにした。
・・・生物関連の基本図書として《標準和名》の五十音順でまとめられているので、それぞれの種の全国における《地方名》を、一目瞭然で通覧することが出来る。同時に、末尾の「地方名索引」から、正しい《和名》を引き出すことはいとも手易い。すなわち、「和名」⇒「地方名」、「地方名」⇒「和名」を1冊でまかなう。それゆえ多くの方々の利用を期待するものである。・・・
|