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3月5日午前10時、古内大使を先頭に、6台の車でムルデカ宮殿に入る。・・・
すでに早朝から、はるばる日本からやって来た、財界巨頭らの《経済ミッション》との会談は始まっていた。
大使らは慣れているせいか、至極上機嫌で、親衛隊長や純白の軍服を着こなした侍従長らと、さかんにジョークを飛ばしている。
「見なさい。向こう(経済ミッション)はあんなに大勢、頭を揃えないと会って貰えないのに、あなたはたった一人」 大使は私まで冷やかす。・・・ 以下、略
会談は終始、大統領の一方的な漫談で終った。大使も流暢な英語で話しを合わせる。
「くわしい計画は、いっさい農林大臣に任せたから、そのほうで探検センターを作り、よろしくやってくれ」ということが、この日の結論であった。
帰る間際、大使はそっと耳打ちしてくれた。
「大統領にはなかなか会えないから、頼むことがあれば、この際言っといたほうがいいよ」
「それでは大使から、海軍の協力をお願いしてください」
私は条件反射のごとく、間髪を入れずにこう言った。おそらく、そのときの頭の中に、京大の《極楽鳥探検隊》が、陸軍との共同作戦でたいへんな苦労をしたという、話がとっさに思い浮かんだからに違いない。
その他の私の希望にも、ただ “ウン、ウン” と認めてくれた乗気の大統領、よほど私が気に入ったのか、明日さっそく、海軍大臣と陸軍大臣を呼んだから、7時半に来なさいと答えた。
「こんなことは異例中の異例、私も二日続けて大統領に会うのは初めて・・・・」と、ますます上機嫌の大使の車に送られて、大成建設のオフィスに戻った。 ・・・・・・
以下、略
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